2014年7月19日土曜日

横浜の祭り囃子で地域を活性化。つながりある町づくりを目指す。

日本は、世界で最も「社会的に孤立していると思っている人が多い」国です。以下に統計データがあります。職場の同僚や友人、社会の何らかのグループで過ごす時間が「めったにない」または「全くない」と答えた人の割合を示したグラフです。
 

Society at a Glance 2005-Social Cohesion Indicators
http://goo.gl/0Yoq9Q
 

「つながり」は大きな社会問題である。

「やっぱりそうか。」と思いましたでしょうか。「いやいや、絶対違うでしょ。」と、データを否定したでしょうか。日本人は謙虚な民族だから、こうしたリサーチでは低い結果が出やすいというのは、文部科学省でも考慮されている共通認識です。が、こうもハッキリ1位を取ってしまっては、無視できない課題ともいえるのではないでしょうか。
 
 意識調査の結果について文部科学省学力調査室では「謙虚に答えるという日本人の国民性もあり、一概に他国・地域と比べることはできない」と指摘しつつも、「生徒の学習意欲は成績向上に直結する。数学への苦手意識を払拭し、目的意識を高めるような施策を進めたい」としている。

OECD国際学習到達度調査(1)日本、数学の学習意欲改善+(2/2ページ) - MSN産経ニュースOECD国際学習到達度調査(1)日本、数学の学習意欲改善+(2/2ページ) - MSN産経ニュースOECD国際学習到達度調査(1)日本、数学の学習意欲改善+(2/2ページ) - MSN産経ニュース

 
確かに、社会的に孤立するのはマズイ気がします。しかし、つながる必要って本当にあるのでしょうか。家族や恋人、少数の友人さえいれば、困らないのではないでしょうか。
 
まず、「つながり」に対するあなたの認識をバージョンアップさせる必要があります。
 

弱い絆。ゆるいつながり。濃淡のあるつながりを目指す。

「つながろう!」と言うと、何か煙たい感じがしてしまいます。好きでもない人たちと、密に繋がりたいとは誰しもが思わないからです。逆に、大好きな人であれば大歓迎。だから、一言でつながると言っても、相手によってバランスをとらないと「苦しいつながり」がたくさん生まれてしまいます。
 
そう。平等な社会へ。感覚としては、これらと似ていると思います。マイナスな差別や不平等は無くすべきですが、能力別の授業や、個人の体調に合わせた食事などは、ポジティブな不平等(=公平さ)だからです。「つながり」においても、同様です。
 
相手によって、ポジティブな関係でいられるつながりを保てばいいのです。大好きな人であれば密にすればいいし、苦手な人であれば程よい距離感を保てばいいのですね。そして、尊敬できるところだけを見るようにして、お互いに生かしあえば、すごくポジティブな「つながり」になると思いませんか。
 

弱い絆こそ生かせる。

調べてみると、弱い絆だからこそ効果が表れる事例が報告されています。
 
弱い絆に対して強い絆というのはそもそも社会的な地位や価値観の似たもの同士の間で形成されることが多いはずです。 (中略) 強い絆で結ばれた個々の集団は、他の集団とは相互に不干渉となってしまう可能性が高いはずです。
 
弱い絆理論 : NED-WLT弱い絆理論 : NED-WLT弱い絆理論 : NED-WLT


なるほど、仲良しグループ①VS.仲良しグループ②で、全くタイプがことなる小学校時代のイメージの通りですね。互いにタイプの違う人同士が集まり、正確や趣味などの共通点が色濃いのが特徴です。
 
しかし、①、②のグループの両方を行き来している人もいました。どちらのグループにも属さない、唯一の趣味や価値観を持っている人。どちらのグループともに共通部分がある人。強い絆は決して持っていないけれども、弱い絆でつながっている状態です。
 
この弱い絆を利用すれば、どうなるでしょうか。私は、2つのグループをつなげられる、と考えます。生まれたつながりは消して強くありません。それでも、お互いの強みを活かして補えますし、強みがわかればお互いの理解が深まります。つながらなければ生まれることがなかった可能性やパワー、弱い絆を通して生かされるのです。
 

横浜市が目指する「つながる地域」

横浜市では、施策として「つながり」を掲げています。つながりの重要性は、もはや行政が動き出すくらいの課題になりました。しかし、行政ばかりに依存していては、つながりは生まれません。私たちが、自ら繋がろうとする意識がなければならないのです。
 
調査季報 170号 特集:つながりを探る~「ゆるやかなつながり」を中心に~調査季報 170号 特集:つながりを探る~「ゆるやかなつながり」を中心に~調査季報 170号 特集:つながりを探る~「ゆるやかなつながり」を中心に~

 

『和とは人の輪なり』

ブログのタイトルにもある言葉。和太鼓や民俗芸能、祭り囃子など『和』を通じて人と人とをつなぐ取り組み。『和とは人の輪なり』は、昇龍の理念を象徴的にあらわしています。
 
今の時点では『上郷囃子』こそが最も有効で価値のある手段だと私たちは考えています。今、この瞬間におけるつながり、そして、これからのつながりを考えるのであれば、『上郷囃子』以外でも構いません。
 
でも、『上郷囃子』でなければできないことがあります。それは、過去とのつながりです。過去から伸びてくる線をたどるには、元々あるものから探っていった方が手っ取り早いのです。
 
人の輪もきれいな円を思い描いてはいませんし、コンパスで書いたような線でも、空飛ぶ円盤のような面でもありません。3次元的な球をイメージしています。いろんな長さ、太さの線が、無数に伸び合っている。そして、現在の線だけではなく、過去や未来へと繋がる線が、たくさんある、というイメージです。
 
IronRodArt - Royce Bair ("Star Shooter") / Foter / Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivs 2.0 Generic (CC BY-NC-ND 2.0)

 
つながりには濃淡があります。そして、現在から過去へと未来へと双方向的に伸びてくるつながりもあります。言葉や絵では表せられないような、ものすごく複雑なつながりが、そこにはあるのです。
 
和太鼓を通じて、民俗芸能を通じて、『上郷囃子』を通じて、これからの町づくりについて考えていきたい。そんな想いで、活動をしております。
 

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2014年6月9日月曜日

日本の食文化からみるラーメンとつけ麺の違い。

今や日本食と言っても過言ではない、ラーメン。それと対比される事が多い、近年専門店が立ち並ぶほど人気となったつけ麺。では、ラーメンとつけ麺との違いを、あなたは答えることができるでしょうか。


 

私たちは和太鼓グループですが、日本の伝統文化や、民俗芸能について、強く興味を持っています。その1つとして、今回の記事にふれてもらえればと思います。


 

「一汁三菜」日本の食卓には、昔から汁物(スープ)が並んでいた。

小学校の頃の家庭科の授業で、「一汁三菜」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。お味噌汁やすまし汁などの汁物1品と、漬け物や煮物、魚などのおかずが3品ならんだ食卓のことを言います。


 
ご飯を食べるのに、日本人は昔から汁を飲んだ。まるで汁がなければご飯が食べられないようだ、と400年前のポルトガル人の記録にみえる。それほど汁が好きだったから、ぜいたくな料理を出そうとすると、二種も三種も汁を出すことが江戸時代の献立ではしばしばあった。これを本膳料理といって、二の膳つきの場合は必ず汁が二種つくことになっていた。しかし、庶民の間では汁は一種とした。ただし汁はおかわりしてよいもので、一度まで許されたが、二度目の汁のおかわりは勧められても断るのがマナーである。
農林水産省/日本の伝統的食文化としての和食農林水産省/日本の伝統的食文化としての和食農林水産省/日本の伝統的食文化としての和食

 

以上の記録を参考にすると、日本のスープ文化が根づいたのは江戸時代だったと考えられます。確かに、時代劇をイメージすると、ご飯とお漬物とお味噌汁、必ずセットになっていますよね。


 

日本のスープ文化がラーメン人気を生んだ。

スープをこよなく愛する日本人だからこそ、ラーメンが人気になったのではないでしょうか。しょうゆ、みそ、しおなどの一般的な調味料をメインに使っていた時代がありました。しかし最近では、魚介系豚骨醤油のようなスープも生まれており、相当な研究熱だと言えます。


 

麺が主食で、スープがおかず。つまり、メインディッシュはスープにあるわけです。こってり系のラーメンを食べる人の中には、ラーメンをおかずにごはん(白米)を食べる人もいるくらいです。

つけ麺はそば文化に近い感覚がある。

一方で、つけ麺はラーメンとは決定的に反しています。それは、スープをそのまま飲むことはない、ということです。


 

これは、カツオ出汁のよくきいたツユにつけて食べる、そばの文化に由来しているからでしょう。ラーメンの主役がスープだったのに対し、つけ麺では麺が主役となっているのです。


 

つまり、日本の食文化という観点から切り分けると、ラーメンはスープ文化、つけ麺はそば文化だと言えることになります。


 

日本の食文化を切り口に、これからの日本食について考えてみる。

日本食といえば、一般的には薄味で、出汁の効いた素材の旨味を活かした料理という印象があります。が、ラーメン屋つけ麺の界隈では、全く逆行していますよね。味は濃く、出汁というよりは固形物が浮いている不透明なスープで、油も多くてこってりしています。


 

これを食文化の変遷と捉えるか、逆行として捉えるのかは分かりません。が、どちらにしろ根本にあるのは日本人が大好きなスープ文化と、そばの文化であることはハッキリと言えます。


 

そして、ラーメンとつけ麺との境界が曖昧になってくる、すなわち、スープ文化とそば文化の融合が起こりつつあるのが、ラーメンとつけ麺にまつわる日本の食文化の変化なのではないでしょうか。

2014年1月26日日曜日

【動画】八丈太鼓愛好会の浅沼亨年(みちとし)さんの太鼓

伝統芸能である、八丈太鼓の紹介です。


Facebookを見ていたら、浅沼亨年(みちとし)さんが会長を務めておりました、「八丈太鼓愛好会」でみちとしさんの動画が紹介されていました。


われわれ昇龍は、八丈太鼓が大好きです。八丈島に太鼓を教えてもらいに行ったこともあります。でもやっぱり、みちとしさんの太鼓をみていると「いいな!」っと思うんですよね。


今では八丈島にもパチンコ屋や、カラオケボックス、ボウリング場があります。しかし、レジャー施設がなかった時代でも豊かな日常があったことでしょう。海に囲まれ、木々が生い茂る八丈島で、自然とともに暮らしていたのだと思います。


ゆうきち






本ばたき





すばらしい太鼓を叩かれているみちとしさんですが、今年の1月3日に亡くなられたそうです。お悔やみ申し上げます。


そして新たな世代から、みちとしさんを超える八丈太鼓奏者が生まれることを心から願うとともに、昇龍も日々、精進してまいります。

2014年1月10日金曜日

心技体をパワーアップし、4月からは最高のスタートで駆け上がります!

明けましておめでとうございます!


2014年が幕を開けました。お正月には、神社で奉納太鼓を叩きました。笠間にある鹿島神社と、上郷にある思金神社での演奏です。本年も、元気に楽しく活動できるよう、私たちの願いも込めさせていただきました。


まずは、報告がございます。2014年は、例年行っております、昇龍公演(巡行)を実施しないこととしました。ブログでお伝えするのは大変恐縮ですが、ご理解いただけましたら幸いです。



3月までは、パワーアップ期間とします!

2012年に第10回昇龍公演を開催しました。そして、2013年は昇龍巡行として、各地域を駆け巡りながら演奏するという、新たな試みに取り組みました。


しかしながら、世代交代を繰り返す中で少しずつ、昇龍のあり方を考えさせられる機会がありました。


私たちは、『昇龍が目指したい姿とは何か!?』を、チームとしての大きな課題としました。


まずはもう1度初心に戻り、心機一転、昇龍を見つめなおそう!そして、技術だけではなく、昇龍の魅力である『心』を新年度までに鍛え上げたい!という決意が生まれました。



心技体のすべてでパワーアップします!

心だけを鍛えても意味がありません。『心技体』という言葉があるように、3つをバランスよく鍛えてこそ実力が発揮できるのです。元プロ野球の大投手、工藤公康さんが名言を残しています。


気持ちや気力ばかりが先行してもいけません。「心技体」という言葉がありますが、この3つのバランスを保ってはじめて納得のいくパフォーマンスにつながるんです。
工藤公康の名言|気持ちだけでなく心技体がそろってこそ力を出せる  工藤公康の名言|気持ちだけでなく心技体がそろってこそ力を出せる


『心』だけを鍛えてもダメなのです。技術と体力が合わさってはじめて、パフォーマンスの向上につながります。3月末の合宿を総仕上げとして、『心技体』のすべてをパワーアップを目指すことにしました。




以上の3つを総合し、『心技体』としました。



新年度からも昇龍の応援をお願いします!

昇龍公演などの演奏会を、毎年楽しみにしていただいている!という声を頂戴するようになりました。大変嬉しく思います。しかし、今回はパワーアップ期間を設けさせていただくため、演奏会を見送る形とさせていただきました。


チーム事情という、勝手な判断で大変申し訳ございませんが、ご理解いただけましたら幸いです。


よりよい演奏を通して、みなさまに感動を届けられるよう精進してまいります。これからも、昇龍へのご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします!